この街の盆地には、一つの火の山がそびえ、その麓に湯が惜しみなく湧く。湯の湧き出る量も、湯の出る源の数も、全国でも指折りという。盆地は古い歌集にも詠まれ、朝には霧が立ちこめる。火の山の麓に湯を抱えるこの温泉郷の盆地と、隣り合う二つの里とが、一つに束ねられて市となった。火の山の麓の盆地の温泉郷であるこの地は、合併ののち、静かに人口を減らしてきた。由布市の数字は、湧く湯と三町という来歴が刻まれた街の記録だ。
大分県のほぼ中央、火の山の麓の盆地に開ける市。この市は二〇〇五年、三つの町が新たに一つに束ねられて発足したため、市としての人口の統計は、発足後の二〇〇五年以降を扱う。その二〇〇五年の 35,386 人から二〇二〇年の 32,772 人へと、緩やかに減ってきた。私 (Atlas) がここで読みたいのは「県央の温泉の市」 という記号ではなく、湧く湯と三町という来歴が、現在の人口や財政にどう翻訳されているか、という因果の筋道だ。
01 · いまの由布市を、数字で見る
直近の国勢調査で人口は約三万三千人 (二〇二〇年 32,772 人)。この市は二〇〇五年、三つの町が新たに一つに束ねられて発足したため、市としての人口の統計は、発足後の二〇〇五年以降を扱う。その二〇〇五年の 35,386 人から、二〇一〇年の 34,702 人、二〇一五年の 34,262 人、二〇二〇年の 32,772 人へと、緩やかに減ってきた。
中身を見ると、火の山の麓に湯を抱える盆地の市の姿が出る。六五歳以上の割合は二〇一五年の 32.1% から二〇二〇年の 34.2% へと上がり、三割を超えた。子育て世帯の割合は二〇二〇年で 20.5%、粗出生率は二〇二〇年で千人あたり 7.4。保育の待機児童は二〇二四年・二〇二五年ともゼロ。財政力指数は二〇二三年度に 0.41 と、自前の税収では歳出の四割あまりを賄える水準にある。火の山の麓の盆地の温泉郷が、合併ののち人口を緩やかに減らす姿が数字に出ている。なぜこの形なのかは、火の山と湯と盆地と三町の来歴を遡らないと読めない。
出典: 総務省 国勢調査 / 総務省 地方財政状況調査 (財政力指数) / こども家庭庁 保育所等関連状況取りまとめ / 国土交通省 不動産情報ライブラリ
02 · 火の山の麓の盆地・全国有数の湯・古い歌に詠まれた里・三町の合併 — 数字の背後にある来歴
この街の骨格は、火の山の麓の盆地という地形と、全国でも有数の湯、古い歌に詠まれた里、そして三つの町の合併によって据えられている。始まりの層は、火の山と湯である。この地の盆地には、一つの火の山がそびえ、その熱が地の底の水を温めて、麓に湯を惜しみなく湧かせる。湯の湧く量も、湯の出る源の数も、全国でも指折りという。盆地は古い歌集にも詠まれ、朝には霧が立ちこめる。火の山の麓に湧く湯が、この地の中心の土台であった。
この温泉の盆地に、隣り合う二つの里があった。火の山の麓の温泉の盆地の両側に、田畑の里と、もう一つの里とが隣り合っていた。市となった道のりも、この街を映す。二〇〇五年、温泉の盆地の里と、隣り合う二つの里とは、新たに一つに束ねられて、いまの市が発足した。県のほぼ中央に位置し、北に火の山、南に高い山々がそびえる。火の山の麓の盆地と、全国有数の湯、古い歌に詠まれた里、そして三町の合併 ── この街の形は、火の山の麓の盆地が刻んだ、湯と温泉郷の来歴の上に立っている。
出典: 由布市/由布院温泉 (由布岳=標高1,584mの麓に広がる温泉地で、温泉湧出量・源泉数ともに全国2位・万葉集にも歌われた由布院盆地 概説) / 由布市/立地 (大分県のほぼ中央に位置し、北部に由布岳、南部に黒岳等の山岳がそびえる・湯平温泉/塚原温泉等の温泉郷 概説) / 由布市 (2005-10-1 挾間町+庄内町+湯布院町が新設合併で発足 概説)
03 · 火の山の麓の盆地の温泉郷で、合併ののち人口を緩く減らす
由布市の特徴は、火の山の麓の盆地の温泉郷という来歴を抱えながら、合併ののち人口を緩やかに減らしている点にある。市が発足した二〇〇五年の 35,386 人から二〇二〇年の 32,772 人まで、一五年で三千人ほどが減った。減り方は緩やかである。全国でも有数の湯を湧かせる温泉郷を抱えるこの地でも、若い世代の一部がより大きな都市の方へ移って、街全体の年齢が上がってきたと読める。六五歳以上の割合が二〇二〇年で 34.2% と三割を超えたことは、その表れだ。
その一方で、保育の待機児童は二〇二四年・二〇二五年ともゼロで、子育て世帯の割合は二〇二〇年で 20.5%、粗出生率は二〇二〇年で千人あたり 7.4。財政力指数 0.41 は、自前の税収では歳出の四割あまりを賄える水準にある。県のほぼ中央という位置と、県の中心の都市にも近い里を抱えることが、人口の減りを緩やかにとどめていると読める。火の山の麓の盆地の温泉郷は、いまは合併ののち人口を緩やかに減らしながら、高齢化を進めている。全国でも指折りの湯が人を呼び、県の中心の都市に近い里が通勤の足場になる ── この二つが効いて、由布の人口の減りは一五年で三千人ほどと、近隣の市に比べてずっと緩やかにとどまっている。
04 · 火の山の麓の盆地が、全国有数の湯を湧かせた、という来歴
由布が抱える機能は、一つではない。盆地に一つの火の山がそびえ、その熱が地の底の水を温める。その火の山の熱で、湯の湧く量も源の数も全国でも指折りという湯を麓に湧かせ、古い歌集にも詠まれた。そして県のほぼ中央に位置し、温泉の盆地と隣り合う二つの里を束ねた。
火の山の麓の盆地から、全国有数の湯、古い歌に詠まれた里、そして三町の合併まで ── 「火の山がそびえる麓の盆地」 という地理が、全国でも指折りの湯を湧かせ、温泉郷を育ててきた。火の山の麓の盆地と全国有数の湯が、大分県のほぼ中央という同じ一つの場所に折り重なって、いまの由布の形を据えている。
出典: 由布市/由布院温泉 (由布岳=標高1,584mの麓に広がる温泉地で、温泉湧出量・源泉数ともに全国2位・万葉集にも歌われた由布院盆地 概説) / 由布市/立地 (大分県のほぼ中央に位置し、北部に由布岳、南部に黒岳等の山岳がそびえる・湯平温泉/塚原温泉等の温泉郷 概説) / 由布市 (2005-10-1 挾間町+庄内町+湯布院町が新設合併で発足 概説)
05 · Atlas メモ — 火の山の麓の盆地の温泉郷で、異なる性格の里の同居を読む
由布の数字を並べると、合併後に緩やかに減る人口・高齢化率 34.2%・子育て世帯の割合 20.5%・財政力 0.41 と、火の山の麓に湯を抱える盆地の市の指標が並ぶ。ここで読みたいのは、この街が「火の山の麓の盆地に、湯の湧く量も源の数も全国でも指折りという湯を抱えている」 という、地形がもたらした湯の豊かさだ。盆地にそびえる火の山の熱が、地の底の水を温めて、麓に湯を惜しみなく湧かせる。火の山が、そのまま全国有数の温泉郷をつくった、という連鎖は、この街をよく説明する。
もう一つ考えたいのは、この街が「温泉の盆地の里と、隣り合う二つの里とを、一つに束ねた」 という点だ。広く名の知られた温泉の盆地と、県の中心の都市に近い里、そして田畑の里とが、いまは一つの市である。市という枠の中に、湯で人を呼ぶ顔と、隣の都市へ通う里の顔とが同居している。一つの市の中に異なる性格の里が束ねられている、という構図を踏まえると、市全体の数字を、温泉の盆地だけの姿と取り違えずに読める。
会計の目で数字を扱う私(Atlas)が言えるのは、ここまで。あとは、夜明けの盆地に霧が満ち、その霧に火の山の裾から湯けむりが立ちのぼって溶けていく ── その光景を思い浮かべてもらえれば足りる。
出典: 総務省 国勢調査 / 由布市/由布院温泉 (由布岳=標高1,584mの麓に広がる温泉地で、温泉湧出量・源泉数ともに全国2位・万葉集にも歌われた由布院盆地 概説) / 由布市/立地 (大分県のほぼ中央に位置し、北部に由布岳、南部に黒岳等の山岳がそびえる・湯平温泉/塚原温泉等の温泉郷 概説) / 由布市 (2005-10-1 挾間町+庄内町+湯布院町が新設合併で発足 概説)
編集メモ: 数値・出典はすべて公的統計が由来です。 文体は Atlas の語り口に揃え、 AI (atlas-handcrafted-reverse-v1 (wave33-west 2026-06-04)) が文章の整え方を担当しています。 評価語・予測語 (「狙い目」「魅力的」 等) は意図的に載せていません。 改訂識別子: wave33w_




