この街の山あいに、茅葺きの屋根が今も並ぶ集落がある。藁や茅で葺いた屋根の家々が、谷あいに身を寄せ合うその景色は、古い山村の暮らしの形を残すものとして、国の保存地区に選ばれている。さらに山の奥、大きな川の源流の一帯には、大学が研究のために守る自然の林が広がる。茅葺きの里と、源流の自然林 ── 山あいの古い暮らしと手つかずの自然を、この地は奥深くに抱えている。市域は広く、府内では二番目に大きい。四つの町が、一つに束ねられて、この市は生まれた。茅葺きの里と研究林を抱えた地であるこの地は、四町を束ねながら、人口を減らしてきた。南丹市の数字は、四町の合併と茅葺きの里と源流の自然林という来歴が刻まれた街の記録だ。
京都府の中部、丹波地方に位置し、市域は府内で二番目に大きい市。この市は二〇〇六年、四つの町が一つに束ねられて発足した。発足後の人口は二〇一〇年の 35,214 人から二〇二〇年の 31,629 人へと推移してきた。私 (Atlas) がここで読みたいのは「府中部の市」 という記号ではなく、四町の合併と茅葺きの里と源流の自然林という来歴が、現在の人口や財政にどう翻訳されているか、という因果の筋道だ。
01 · いまの南丹市を、数字で見る
直近の国勢調査で人口は約三万二千人 (二〇二〇年 31,629 人)。この市は二〇〇六年に四つの町が一つに束ねられて発足したため、統計はその発足後を扱う。発足後の人口は二〇一〇年の 35,214 人から、二〇一五年の 33,145 人、二〇二〇年の 31,629 人へと、減ってきた。
中身を見ると、府内で二番目に広い山あいの市が年齢を上げる姿が出る。六五歳以上の割合は二〇一〇年の 29.6% から二〇一五年の 33.1%、二〇二〇年の 35.2% へと上がった。子育て世帯の割合は二〇二〇年で 16.4%、粗出生率は二〇二〇年で千人あたり 5.2。保育の待機児童は、二〇二四年で 1 人、二〇二五年で 3 人と、わずかながら生じている。財政力指数は二〇二三年度に 0.31 と、自前の税収では歳出の三割あまりしか賄えず、地方交付税に頼る度合いの大きい水準にある。茅葺きの里と研究林を抱えた地が、四町を束ねながら人口を減らす姿が数字に出ている。なぜこの形なのかは、府内二番目の広い市域と茅葺きの里と四町の合併の来歴を遡らないと読めない。
出典: 総務省 国勢調査 / 総務省 地方財政状況調査 (財政力指数) / こども家庭庁 保育所等関連状況取りまとめ / 国土交通省 不動産情報ライブラリ
02 · 府内二番目の市域・茅葺きの里・源流の自然林・四町の合併 — 数字の背後にある来歴
この街の骨格は、府内二番目の市域という大きさと、茅葺きの里、源流の自然林、そして四つの町の合併によって据えられている。始まりの層は、府内二番目の市域である。この地は、京都府の中部、丹波地方にあって、市域は府内では府の中心の市に次いで二番目に大きい。山あいに集落が散らばり、奥には深い森が広がる。広い市域が、この街の土台であった。
この広い山あいに、茅葺きの里と源流の自然林が残った。山あいの一つの集落には、藁や茅で葺いた屋根の家々が今も並び、古い山村の暮らしの形を残すものとして、国の保存地区に選ばれている。さらに山の奥、大きな川の源流の一帯には、大学が研究のために守る自然の林が広がる。茅葺きの里と、源流の自然林とが、この地の奥深くを彩ってきた。市となった道のりも、この街を映す。二〇〇六年、四つの町は、一つに束ねられて、いまの市となった。これにより、市の測る範囲が広がった。府内二番目の市域と、茅葺きの里、源流の自然林、そして四町の合併 ── この街の形は、府内で二番目に広い山あいが茅葺きの里と源流の自然林を抱え四町を束ねた、来歴の上に立っている。
出典: 南丹市/美山かやぶきの里 (京都府中部の丹波地方に位置し、美山地区の北集落は茅葺き民家が今も残る重要伝統的建造物群保存地区・由良川の最上流の山村集落 概説) / 南丹市/由良川源流と研究林 (市域は広く、由良川の源流域には大学の研究林の自然林が広がる・面積は京都市に次いで府内第2位 概説) / 南丹市 (2006-1-1 船井郡 園部町/八木町/日吉町+北桑田郡 美山町の4町が新設合併で発足・統計は発足後の2010年以降を扱う 概説)
03 · 茅葺きの里と研究林を抱えた地で、四町を束ねながら人口を減らす
南丹市の特徴は、茅葺きの里と源流の自然林という来歴を抱えながら、四町を束ねた後も、人口を減らしている点にある。発足後の二〇一〇年の 35,214 人から二〇二〇年の 31,629 人まで、一〇年で三千五百人ほどが減った。古い山村の暮らしを残すこの地でも、若い世代の一部がより大きな都市の方へ移って、街全体の年齢が上がってきたと読める。六五歳以上の割合が二〇二〇年で 35.2% へと上がってきたことは、その表れだ。
その一方で、保育の待機児童は二〇二四年で 1 人、二〇二五年で 3 人と、府内の多くの市がゼロを保つなかでは、わずかながら生じている。子育て世帯の割合は二〇二〇年で 16.4%、粗出生率は二〇二〇年で千人あたり 5.2。財政力指数 0.31 は、自前の税収では歳出の三割あまりしか賄えず、山あいの地に共通して見られる、地方交付税に頼る度合いの大きさを示している。待機児童は二〇二四年で一人、二〇二五年で三人と、数としてはごく小さい。だが府内で二番目に広い市域に集落が散らばることを思えば、保育の場が住まいの近くにあるかは家ごとに違いうる。広い市の平均値の裏には、地域ごとの差が隠れている。
04 · 府内で二番目に広い山あいが、茅葺きの里と源流の自然林を抱え、四町を束ねた
南丹は、固有の機能をいくつも抱えている。一つは、市域が府内で二番目に大きく、山あいに集落が散らばる、府内二番目の市域という来歴を持つ。もう一つが、藁や茅で葺いた屋根の家々が並び、国の保存地区に選ばれた、茅葺きの里という性格を抱える。そして、山の奥に大学が研究のために守る大きな川の源流の自然林を抱える、源流の自然林という顔を持つ。府内で二番目に広い山あいに、国の保存地区となった茅葺きの里と、大学が守る源流の自然林とが散らばっている。
一方は人の手で代々守られてきた古い暮らしの形、もう一方は人の手を加えずに守られてきた森。守るために手を入れる里と、守るために手を入れない林とが同居するのは、この広さあってのことだ。広さは人口には薄く、抱える資産の幅には厚く出る。
出典: 南丹市/美山かやぶきの里 (京都府中部の丹波地方に位置し、美山地区の北集落は茅葺き民家が今も残る重要伝統的建造物群保存地区・由良川の最上流の山村集落 概説) / 南丹市/由良川源流と研究林 (市域は広く、由良川の源流域には大学の研究林の自然林が広がる・面積は京都市に次いで府内第2位 概説) / 南丹市 (2006-1-1 船井郡 園部町/八木町/日吉町+北桑田郡 美山町の4町が新設合併で発足・統計は発足後の2010年以降を扱う 概説)
05 · Atlas メモ — 守るために手を加える里と、加えない林が同居する
南丹の数字でひとつ目を引くのは、保育の待機児童が、府内の多くの市がゼロを保つなかで、わずかに生じている点だ。待機児童は二〇二四年で 1 人、二〇二五年で 3 人。数としてはごく小さい。だが府内で二番目に広い市域に集落が散らばることを思えば、保育の場が住む場所の近くにあるかは家ごとに違いうる。広い市域では、平均値の裏に地域ごとの差が隠れている ── 私が広域の市の数字を読むとき、いつも気にかけるのがここだ。
もう一つ考えたいのは、この街が「茅葺きの里」 と「研究林」 という、対照的な二つの資産を奥深くに抱えている、という点だ。一方は人の手で代々守られてきた古い暮らしの形、もう一方は人の手を加えずに守られてきた自然の森。守るために手を加える茅葺きの里と、守るために手を加えない源流の林。対照的な二つが同じ市域に同居しているのは、この広い市の懐の深さだ。広さは人口の数字には薄く、抱える資産の幅には厚く出る。府内で二番目に広い市域の奥に、人の手で代々守られてきた茅葺きの里と、人の手を加えずに守られてきた源流の林が同居する。広さは人口の数字には薄く、抱える資産の幅には厚く出る ── それがこの市の懐の深さだ。
出典: 総務省 国勢調査 / 南丹市/美山かやぶきの里 (京都府中部の丹波地方に位置し、美山地区の北集落は茅葺き民家が今も残る重要伝統的建造物群保存地区・由良川の最上流の山村集落 概説) / 南丹市/由良川源流と研究林 (市域は広く、由良川の源流域には大学の研究林の自然林が広がる・面積は京都市に次いで府内第2位 概説) / 南丹市 (2006-1-1 船井郡 園部町/八木町/日吉町+北桑田郡 美山町の4町が新設合併で発足・統計は発足後の2010年以降を扱う 概説)
編集メモ: 数値・出典はすべて公的統計が由来です。 文体は Atlas の語り口に揃え、 AI (atlas-handcrafted-reverse-v1 (wave36-kinki 2026-06-05)) が文章の整え方を担当しています。 評価語・予測語 (「狙い目」「魅力的」 等) は意図的に載せていません。 改訂識別子: wave36k_



